「holz」の分布
地名語尾「holz」は「材木」「丸太」を意味する。森林関連地名と見ることも可能だ。ほぼマイン川以北の北ドイツに分布するのだが、このほど大変興味深い例外を発見した。
「Jungholz」だ。ミュンヘンの南西およそ100km、オーストリアとの国境付近だ。このユングホルツ地区は、ドイツ領の中にポッカリと浮かぶオーストリア領の飛び地だ。山中の小さな集落。これと言って有名な観光資源があるわけでもないが、あたりはいわゆるチロルだから、景色は良いに決まっている。
「飛び地」はなんだか夢がある。いわくがあるに決まっているからだ。カリーニングラードはロシアの飛び地として名高い。ブレーマーハーフェンは周囲をニーダーザクセン州に囲まれたブレーメンの飛び地だ。プロイセンはその発展の過程では飛び地だらけのつぎはぎ領土だった。彼らの発展は、飛び地を何とか一つながりにしたいという欲求に駆られたものだとも言える。
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