エック
ドイツ語「Eck」は、「角」という意味。地名語尾としては大勢力ではないが、「Deutsches Eck」だけは別格だ。
ライン川を北上する船に乗っていたとしよう。コブレンツを左に見て進むと市街を過ぎたあたりで、左側からモーゼル川が合流する。アルファベット小文字の「y」を逆さにした感じを想像するといい。合流点南側の陸地の形状が三角形になり、その突端が川に突き出すことになる。
これが「ドイチェスエック」だ。一帯は公園になっていて、ドイツ帝国皇帝ウィルヘルム1世の像がある。ライン川のこの一帯は古来独仏国境争いの真っ只中だったから、ラインの守りの要衝である。そこに皇帝の巨大な像が置かれていたらフランスは面白くあるまい。
サッカーの実況中にエックが聞こえてきたら、それはコーナーキックのことだ。
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