水車小屋
ドイツ語で「Muhle」(uはウムラウト)と綴る。パンを焼くのに欠かせない小麦粉はここで作られる。集落ごとに1箇所はある感じ。人名になるときは「Muller」だ。「粉屋」の意味。重要度で言えば江戸時代の「米屋」にも匹敵しそうだ。「粉屋」と言えば村の名士でもあったし、やっかみの対象でもあった。現代のドイツで最も多い苗字は「Muller」さんだそうだ。全体のおよそ1.5%くらいがミューラーさんだという。
村に何箇所もないから「muhle」は土地の目印として最高で、地名にも色濃く痕跡を残す。「~muhle」あるいは「Muhle~」などのパターン。末尾の「e」が脱落することも多い。人名にもなっていてブラームスの伝記では必ず登場するクラリネット奏者は「ミュールフェルト」だった。
シューベルトは「水車小屋の娘」を礼賛するし、フャリャ「三角帽子」では、代官の横恋慕の対象が、「粉屋の女房」だった。
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