Cannstatt
昨日の記事「街の形」で、都市を意味する「シュタット」のヴァリエーションについて述べた。その中にあったのが地名語尾「statt」だ。「stadt」に比べるとマイナーながらバーデンヴュルテンベルク州やバイエルン州に散見される。「シュタット」と読むなら「stadt」よりも自然な感じがするのだが、現実的には少数派だ。
地名語尾「statt」の実例を調べていた。シュトゥットガルトのすぐ西隣に「Bad Canstatt」という街がある。自動車草創期のエンジニア、ゴットリープ・ダイムラーがこの街に1890年に「Daimler Motoren Geselschaft」(DMG)を創業する。これが現在もなお高級車市場に君臨するダイムラー社の起こりだ。マンハイムで創業したベンツ社とは全くの別企業。ブラームスの存命中は別の道を歩んだが、米国フォード社への対抗上1926年に合併してダイムラー・ベンツ社となる。オーストリアの豪商エミールイェネリックが娘の名「メルセデス」を車名にすることを提案し、やがてこれが同社を代表するブランドになる。同社の本社は今でもシュトットゥットガルトにあるし、同地のサッカークラブの本拠地「メルセデス-ベンツアリーナ」昔「ゴットリープダイムラーシュタディオン」と呼ばれていた。
ゴットリープ・ダイムラーは1834年3月17日に生まれだから、ブラームスと同学年。そしてそして彼の父はヨハネス・ダイムラーである。
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