Wasserscheide
独和辞典でひくと「分水界」と書いてある。普通分水界はいちいち書き込まれてはいない。きりが無いからだ。ところが、愛用の道路地図にはたった一箇所だけ「Wasserscheide」と書かれている場所がある。
これを説明するためには、「マイン-ドナウ運河」を語らねばならない。文字通り「マイン川」とドナウ川」を繋ぐ運河だ。マイン川はライン川に合流してやがてオランダから北海に繋がっている。アルトミュールタール自然公園で名高いアルトミュール川をマイン川とつなぐことによって、ドナウ川を伝って黒海に抜けることが出来る。この運河のおかげで、黒海と北海が繋がるということだ。フランケンアルププスという分水嶺を貫くため。いくつも閘門が設けられるなど、技術的難易度が高いため、全通は1990年だった。もちろんブラームスは間に合っていない。かすりもしない。
ディートフルトという街でアルトミュール川から分岐したマインドナウ運河は、あるいは北行し、あるいは西行し、かれこれ30kmでアウトバーン9号線に出会う。これをくぐったところに「Wasserscheide」と書いてあり、隣に406mと添えられる。つまりマインドナウ運河の最高点を示すためだ。アルトミュール川との分岐からここまでのぼりだったが、ここからは下るという場所に相当する。この先、ニュルンベルクを抜けてバンベルクの西郊でマイン川に至る。
スペシャルコンサートまであと18日。
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