ラインガウ
水辺語尾「au」を調べていると悩ましいこともある。「bau」「chau」「dau」「hau」「sau」などさまざまな子音を伴う「au」が等しく「水辺語尾」でよいのかという問題だ。「このうち「sau」は意味がよろしくないから「所有のs+au」という解釈でストレスを減じることが出来るが、その他は相当悩ましい。
その代表格が「gau」だ。ワインの大産地「Rheingau(ラインガウ)」を思い出す。地名語尾「gau」は「水辺の森林」「水の豊かな森林」を表すらしい。水辺語尾ともいえるが、森林であることが必須だ。ラインガウを写真で見ると、畑の上部の山の方は、こんもりとした森に見える。実はこれがブドウ生育条件の目安になっているとも聞く。こんもりとした森の下は良いブドウ畑の印だという訳だ。地名語尾「gau」の定義に符合する。
ラインガウはカール大帝の王宮があったインゲルハイムの対岸という絶妙の位置にある。雪解けのタイミングからブドウ栽培の適性を見抜いたという伝説には用心を怠らないにしても、ラインガウの古文献初出は西暦772年であり、これがカール大帝即位の4年後だという不気味な符合には驚かされる。
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