インタビューの日取り
昨日言及した「音楽の創造と霊感」という本、ブラームスへのインタビューが活字化されたものだが、残念なことにインタビューの正確な日付けが書かれていない。1896年晩秋だということは明記されている。場所はウィーンのブラームス宅だ。
ブラームス関連の最終第6章の末尾に、インタビューの4ヵ月後にブラームスが没したと書かれていることをヒントに推理する。
音楽之友社刊行「ブラームス回想録集第2巻」195ページに友人のホイベルガーの証言がある。それによると1896年12月4日の夜の出来事として「ホイベルガーはブラームス、ヨアヒムとその他で夕食に出かけた」と記述している。
先のインタビューは、その場にヨアヒムが同席したことが明記されているし、ブラームス没の4ヶ月前という記述からして、12月4日というのは魅力的だ。名前が明かされていない「友人」の中に著者アーベルが含まれていた可能性もある。この時期のブラームスは、カルルスバートでの鉱泉治療から戻ったものの、傍目にも体調不良が明らかになっていた時期だ。インタビューの内容は、とても精力的で雄弁で、少なくとも病人へのインタビューという雰囲気は感じられない。
« 音楽の創造と霊感 | トップページ | hufe »
« 音楽の創造と霊感 | トップページ | hufe »
コメント