大例外
昨日の記事で地名語尾「heim」がライン川南岸に集中すると書いた。ところが今日はいきなりその例外の話だから、いささか決まりが悪い。ワインの大産地にもなっているライン川の大クランクの北岸にブラームスが第3交響曲を書いたヴィースバーデンがある。そこから西の一帯がラインガウと呼ばれる銘醸ワインの産地だ。その中枢部にあるのがヨハニスベルクであることはすでに言及したが、さらにそのまた西南西およそ4kmの位置にあるのがリューデスハイムRudesheim(uはウムラウト)である。紛れも無くライン川の北岸なのに「heim」が付くといういきなりの例外。あろうことかこの街はブラームスと関係があるから始末が悪い。
1882年1月クレーフェルトの演奏会で知り合ったルドルフとヴィリーのベッケラート夫妻が住んでいた。ワインの醸造販売に精を出す夫と、絵心のある妻とたちまち意気投合し、翌年のヴィースバーデン滞在の際の下宿を見つけたのも夫妻のコネだと言われている。妻ヴィリーは現代に伝えられる有名なブラームスのスケッチをいくつか残している。
このあたりでワイン醸造販売業を営む夫妻と懇意になれば、超高級ラインワインの飲み放題が見えている。リューデスハイムはワイン愛好家垂涎の吟醸地だ。
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