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2013年6月 8日 (土)

均分相続

男子に等しく権利があるフランク人伝統の相続制度。フランクといえばカール大帝だ。彼にも3人の王子があった。遺言は3人で均分相続せよと言うものだったが、カール大帝崩御の時、王子は1人しか生きていなかった。だからもめずに済んだともいえる。生き残りのルートヴィヒ敬虔王には王子が4人いてうち3人が生き残ったから大変だった。国王の子供たちが均分相続するのだから国家が分割することになる。いわゆる「フランク王国の分裂」だ。

  1. 長男 ロタール オランダからフランス北東部、ライン沿岸を経て北部イタリアに至る「中央フランク」を相続した。
  2. 次男 シャルル 中央フランク以西の今のフランスを相続し「西フランク」となる。
  3. 三男 ルートヴィヒ ライン以東を相続し「東フランク」となる。

最初に没した長男の領土を弟たちが分け合うという史実が強烈なせいか、中央フランクの影が薄い。長男が中央を相続したのは弟たちの談合の結果だということになっている。中央フランクは民族も地勢もさまざまで統一国家の経営は一番難しいに決まっている。弟たちの狙い通りだという考えでよいのだろうか。

見方を変える。ワイン好きの目で眺めてみる。この3つの国のうちどれか一つをくれてやると言われた場合、ワイン好きならどこを獲るだろう。東フランクは真っ先に脱落だ。現代のワイン王国フランスも実はまだブレーク前だったことを考えると、一番おいしいのが「中央フランク」という結論になる。おまけにここにはライン川の水運まで付いて来た上に、当時まだフランス以上の産地だったイタリアまで手に入るではないか。ワインのおいしい順なら、中央、西、東の順だ。これがまたキッチリ王子たちのが相続した順になっている。年の順においしい領域を獲っただけのような気もしてきた。

弟たちもそれは知っていた。だからライン沿岸とりわけアルザス・ロレーヌ地方はドイツとフランスの領土争いの焦点であり続けた。そうロレーヌ、ドイツ名ロートリンゲンは、フランク三兄弟の長兄ロタールにちなむ地名だ。

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