ラインヘッセン三角地帯
まずはマインツを見つけよう。スイスに端を発してほぼ北流を続けてきたライン川が、急に西に向きを変えるところ、その内懐にマインツがある。覚えておこう。マインツで左折し約30kmの間西向きに流れたライン川が元通り北に向きを変えるきっかけは,左から合流するナーエ川だ。この合流点にビンゲンがある。
最初のマインツに戻る。ここからほぼ南におよそ60kmのライン川左岸にヴォルムスという町がある。これら3つの町を直線で結ぶとちょうど三角定規のような形になる。マインツが90度、ビンゲンが60度、ヴォルムスが30度だ。実は実はこの三角形の内側がワイン業界で「ラインヘッセン」と呼ばれている。名産地ラインガウの対岸という位置でもある。
不思議なことがある。家々・集落を意味する地名語尾「ハウゼン」(hausen)は、この三角地帯を空白としてドーナツ型に分布する。そしてその空白域を埋めるように地名語尾「heim」が鬱蒼と分布する。heimの意味も「家」あるいは「集落」だ。
ワインについて調べるためにラインガウ付近の地図を見つめていて気がついた現象である。ブドウの栽培やワインの醸造と何か関係がある現象なのかもしれない。そういえば、ほぼドイツ全土に分布する地名語尾「dorf」(村)、「berg」(山)もこの三角地帯には現れないし、さらに南ドイツに密集する地名語尾「bach」(小川)も何故かこの地域を避けている。
なにやら歴史を背負っていそうだ。
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