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2013年10月15日 (火)

押韻の痕跡

パウラナー社が発売したドッペルボックは「救世主」を表す「Salvator」というネーミングが巧妙だったこともあって人気が出た。競合他社は続々とマネをした。商標権という概念の無かった時代には、みな「Salvator」を名乗った。だから鴎外が「Salvator」と明記しても、これが直ちにパウラナー製だと断言できない。

商標権の概念の浸透とともに、後発各社は「Salvator」という名前を諦め独自のネーミングに走った。

  1. Bambergator Fassla社
  2. Celebrator Ayinger社
  3. Jubilator Maxlpain社
  4. Maximaor Augstiner社
  5. Mobilator Gottmansgruner社
  6. Optimator Sraten社
  7. Triumphator Lowenbrau社

という具合。語尾の「-ator」は人を表す接尾語。これは巧妙だ。「Salvator」の知名度があまりに高いから、それにあやかっている。消費者にとっても語尾に「ator」のある銘柄を見れば、それがドッペルボックだとただちに判るという利点もある。

さてさて「a」を抜いた「tor」は、単独では「門」の意味だが、サッカーの世界では「ゴール」という意味。語幹に響きや意味のよい言葉を捜して語尾にはサッカーという競技の目的というべき「Tor」を従わせるのだから、かなり縁起がいいはずだ。

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