ブジェヨヴィツェ
チェコ・ボヘミア南部の町。オーストリアのリンツの北80knにある。「Budejovice」と綴る。赤くした「e」の上に「レ点」状の記号が付く。チェコ語の発音を無理矢理カタカナにすると「ブジェヨヴィツェ」になるらしい。1526年チェコ王国の君主がこの地のビールをいたく気に入り、王室御用達とした。ピルスナーの最高峰の位置を「ウルクェル」と争うという位置づけにある。
話は飛んで1880年米国。アメリカ北東部はもともとドイツ系移民の子孫が多く住んでいる関係で、ビールの人気が高かった。欧州を席捲したピルゼンビールの勢いは北米にも及んでおり、とりわけピルスナーウルクェルの独壇場だったという。本日話題のブジェヨヴィツェの人気は本国ほどでは無かったことに目をつけたアドルフォス・ブッシュという醸造家が自社商品の商標に採用した。ただしチェコ語をそのままの流用ではまずいと思ったのか、これをドイツ語読みに変えた。つまりこれが「Budweiser」の起源である。
ブジェヨヴィツェはドイツ人にとっても厄介だったことがわかる。商標の関係で「Budweiser」は欧州では販売されていないから、ブラームスが「Budweiser」を飲んだ可能性は低い。
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