ミュンヘンの威光
音楽之友社刊行「ブラームス回想録集」第1巻123ページ。ジョージ・ヘンシェルは、生前のブラームスと会った最後の機会について言及している。1896年1月ライプチヒの話。レストランで楽しい会食のひと時を過ごした。ブラームスは驚くべき量のビールを消費したと証言している。
そこで飲まれたビールが美味なるミュンヘンビールだったと書かれている。ライプチヒのレストランでミュンヘンビールが供されていたということだ。3大ビールと言われたミュンヘンとウィーンは、ピルゼンの一人勝ちを許すことになったが、この頃ミュンヘンはピルゼン式の淡色ビールを開発して巻き返しを図っていた。ミュンヘンからおよそ300km離れたザクセン王国のライプチヒで、評判を博していた証拠だ。ライプチヒからの距離ならピルゼンのほうが圧倒的に近いのに、ピルスナーを差し置いてミュンヘンビールが飲まれていたということになる。
コメント