ユーロラガー
文字通りに解すれば「欧州のラガー」なのだが、何のことだかわからない。これには少々の解説が要る。もともとラガーはバイエルンに起きた下面発酵による長期熟成ビールだ。無論いわゆる「ビール純粋令」の影響下にある。ところがアメリカに渡ったドイツ人醸造家は、新大陸の好みに合わせて改良を加え、副原料を用いて麦芽を置換する。ライトな味わいになる上に、透明度の上がるから瓶ビールにはうってつけだ。これをアメリカンラガーといい、新大陸の市場を席巻し世界一のビール生産国になった。アメリカを象徴するスタイルになるのだが、「ビール純粋令」的にはアウトだ。
当地アメリカで競争と寡占が進み、欧州では考えられないようなメガブルワリーの主力品種が、今度は欧州に逆流するようになる。この逆流アメリカンラガーが欧州では「ユーロラガー」または「インペリアルラガー」と呼ばれることになる。アルコール度低め、淡色で軽い口当たりがドイツ以外の若者層には受けたが、ドイツ人は「こんなものイエローウォーターでビールではない」とダメだしをかます。
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