メルツェンビール
「Marzenbier」(aはウムラウト)と綴る。「三月のビール」と直訳出来る。ビールの仕込みは秋から春にかけて行われる。雑菌の繁殖が旺盛な夏はビール製造に向いていないということなのだろう。だから3月に仕込まれるビールはとりわけ念入りに仕込まれる。夏をやり過ごさねばならないから品質管理を徹底せねばならないということで、「3月に仕込まれるビール」は高値が付いた。
昔はそれでも夏に酸敗してしまう場合もあったから、首尾よく夏を越えることが出来たらそれは神の恵みに等しいということになる。オクトーバーフェストは無事に夏を乗り切ったビールを皆で賞味するという性格を帯びている。みんなで飲んで樽を空にしないと次の仕込みが出来ないからというジョークもあながち的外れとも言えない。
1839年にミュンヘンの醸造家が、ウィーンから持ち帰った技術で編み出したのが現在のメルツェンビールで、一部ではウィナービールと同一視されている。
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