カルルスバーグ
1846年ミュンヘンの下面発酵ビールに魅せられたヤコプ・クリスチャン・ヤコプセンは、デンマークでこれを醸造したいと考えた。ミュンヘンの酵母をデンマークまで運ぶ必要がある。発酵タンクから取り出された酵母が、健全な状態でいられるのは、摂氏0度に保っても1週間程度が限度とされている。ヤコプセンは馬車を乗り継ぐたびに冷水を交換しながら走りに走ってコペンハーゲンに着いた。翌年デンマーク初のラガービールが誕生することとなった。
コペンハーゲン郊外の小高い丘に土地を確保して工場を作った。息子の名前をとって「Carlsberg」と名付けた。これこそが今や巨大企業となったカルルスバーグ社の起源である。
一方、研究にも熱意を注いだ彼は同時に研究所も開設して醸造技術の研鑽に励むこととなる。その中から酵母の精製法が世界で初めて考案され、下面発酵酵母の単離精製に成功した。学名「Sacharomyces Carlsbergensis」の由来となっている。
1868年3月ブラームスはコペンハーゲンを訪れている。舌禍事件を起こして予定を切り上げて帰国したとされているが、このときカルルスベルクのビールを賞味した可能性は低くないとにらんでいる。
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