ベルジアンレース
直訳すれば「ベルギーのレース」だ。「レース」は「競争」ではなくて編み物の方。
ビールをグラスに注いだ際の泡には、さまざまな効能が謳われる。ドイツ人は一般にビールに泡がつき物と思っている。正しい泡の立て方、泡の厚み、一度にのどに流し込む正しい量とがビールの種類ごとに決められていると思っていい。
適切な厚みの泡が立ったビールを適切な量のどに流し込む。毎回同じ場所から飲んでいると、口をつけたのと反対側のグラスまたはジョッキの内側に、ビールの泡の痕が白く残る。これが「ベルジアンレース」だ。泡の痕がレース編みに似ていることからこういわれている。
鮮やかなベルジアンレースは、通な飲みっぷりの結果とされている。ブラームスが使用したジョッキには毎回ベルジアンレースが残ったと思いたいが、英語ではなくて「Belgisch Spitze」とドイツ語で呼んでいたかもしれない。
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