ホップ
ビールの原料の一つ。ドイツは世界一の生産国で、およそ25%を占める。
16世紀に施行されたバイエルンの「ビール純粋令」においてビールの原料とされている。ビールに苦味と香りを付与する。黒海とカスピ海に挟まれた地域の原産とされているが、最古のワイン生産地と一致するのも面白い。
元々ビールには多彩なハーブや薬草が用いられていたが、文献上では12世紀になってホップを使うことが発明されたとされるが、もっと遡ると見る学者も多いと聞く。香りや苦味に加え抗菌性もあったことがポイントだといわれている。頑強な抵抗もあったが15世紀までには定着していた。だからビール純粋令にも登場するというわけだ。
さてワインとの因果で申せば、このホップをビールに添加することを発明したのは、ドイツの女子修道院だったらしい。ライン沿岸のビンゲン近郊である。12世紀と言えばビンゲンの対岸ラインガウの修道院が設立された頃だ。ビールの命とも思えるホップの使用が、ドイツワインの心臓部から目と鼻の先で始まったということだ。
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