岩倉使節団とビール
明治になって、日本に雇われた外国人の本国を調べると英国が他を圧倒している。だからそうした英国人のニーズをまかなうために英国製のビールが多く輸入された。バートンのパス社のものが一番人気だったらしい。
1871年に英国を訪問した岩倉使節団は、同じバートンにあるオーソルップ社の最新鋭ビール工場を視察している。工場の周囲をグルリと一周すれば20kmあり、場内を蒸気機関車が走っていると驚いている。
さらに旅を続けた一行はプロイセンに入る。ドイツ人のビールの飲みっぷりに驚いている。当時プロイセンの人口一人当たりの年間ビール消費量は400リットルで、英国の4倍だ。パブでじっくりと飲む英国に比べて、大勢で車座になって一気飲みばかりのプロイセンの酒量は半端ではない。もっというとバイエルンの年間平均消費量はプロイセンよりさらに多くて465リットル/人だった。
岩倉使節団の報告書「米欧回覧実記」で、ビールの詳しいコメントがあるのは英国とプロイセンだけだが、詳しい製法や味についての記述が無いのが残念だ。
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