Gruss Gott
2年前のドイツ旅行最後の夕食はニュルンベルクだった。洞窟風の居酒屋。最後の夕食とあって多くの人がビールを注文した。しばらくしてウエイトレスさんが両手一杯にジョッキを持ってきた。「Bier」といいながら長男と私の間からテーブルにビールを置く。ドイツ語にも慣れてきたメンバーが「Danke」と声をかけている。
私は長男と示し合わせた実験を試みた。ビールを置いてテーブルを離れようとするウエイトレスさんに「Gruss Gott」と声をかけた。「u」はウムラウトになる。カタカナで無理やり表すと「グリュースゴット」という感じ。バイエルン方言で「こんにちは」の意味とされるが、利用範囲はもっと広くて挨拶のシチュエーション全般で使える万能語。列車内の狭い通路ですれ違うときにも使える。車掌が検札のために車内に入って来るときも。駅の案内所で係りの人に声をかけるときも「すみません」のニュアンスでピッタリだ。別れ際「ありがとう」の意味でも違和感が無い。
私から「Gruss Gott」と声がけされたウエイトレスさんの反応は劇的。満面の笑顔でこちらに振り向いて「Gruss Gott」と答えてくれた。長男と顔を見合わせて効果の程を喜んだ。彼らからすれば日本人がバイエルン方言で呼びかけてくれるなど想定外だったに違いない。事前にこのバイエルン方言については調べていたが、やっぱり現地方言で声をかけると喜ばれる。なんだかビールがうまかった。バイエルン地方にお出かけの予定がある方はご記憶を。
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