実地査察
ニュルンベルクで午後まるまるの自由時間をどのように使うか悩んだ。ICEに乗って隣町に行くことに決めたのだが、その街をレーゲンスブルクにした理由に触れておく必要がある。
街にはドイツ最古のソーセージ屋台がある。何よりドナウ川を見ることができるのが大きい。日本からの飛行機がフランクフルトに近づくとき、ハンブルクの上空でエルベ川を超える。このときに飛行機の窓から眼下のエルベ川を撮影しておいた。デュッセルドルフ、ケルン、ボンではライン川を眺めることが出来るから、無理してドナウを見に行くことでドイツ3大河川を全部カメラに収めることが出来るというおバカな企画だ。
これらに加えて決定打となった事情がある。
1896年5月22日静養先のバートイシュルでクララ・シューマンの訃報を受け取ったブラームスはただちにフランクフルトに向かうのだが、ヴェルスで乗り換え損ねて、リンツまで乗り過ごしてしまう。そこからもう一度ヴェルスに引き返してフランクフルトに向かったわけだ。
そこからフランクフルトまでの道のりの中に、今回出かけたレーゲンスブルク-ニュルンベルク間が含まれる。私がレーゲンスブルクからニュルンベルクに戻る帰路は、クララ死すの悲報に憔悴したブラームスの列車行と一致することになる。もちろん当時はICEではないから、もっと時間がかかったはずだ。
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