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2014年1月 6日 (月)

リターナブル

ビールを取り巻く諸事情で、ドイツと日本で大きく違うのは缶ビールだ。ドイツでは樽か瓶が主流で、缶をあまり見かけない。家庭での飲用に関する限り日本では缶が主役に見える。場所を選ばぬ手軽さが受けていると説明されるが、ソフトドリンクで猛威を振るうペットボトルはとんと見かけない。

ドイツの瓶好きにはドイツらしい理由がある。回収洗浄により繰り返し使用できる瓶はエコだと看做されている。洗浄するには水が要ることを差し引いてもリターナブルが支持されている。瓶ならば何でもいいかといわれるとそうでもないところがまたドイツらしい。醸造所から半径400kmを超える領域からの瓶回収は、物流上発生する炭酸ガスなどの関係で、環境保護面からマイナスになると試算されている。

ドイツの中堅ブルワリーは、輸送インフラには困らない現代においても、自社製品のデリヴァリーを一定の範囲内に制限しているケースがほとんどだ。巨大プラントをフル稼働することで得られる最大利潤よりも、デリバリー範囲内での需要を無理なく満たすという前提から経営規模が決められている。ビールはドイツ産業界の例外だ。

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