Warsteiner
ドルトムントの東南東10kmの一帯にアルンスベルクの森が広がっている。ルール工業地帯を貫流するルール川の水源でもある。その南の端には標高500前後の山々が東西に連なっている。Warsteinはその北側斜面に位置する小さな街で、ドイツで5番目のビール会社Warsteinerが本拠を置く。すぐ南の山を越えるとそこにはメシェデの街があり、Veltins社が醸造所を構えている。早い話が水に恵まれているということだ。
さて、ヴァルシュタインに続く鉄道は、すぐ南の山を越えようとはせず、北側およそ30kmのリップシュタットまで伸びてそこで東西に走る幹線に接続している。だからヴァルシュタインは北から伸びてきた鉄道の終着駅になる。少なくとも道路地図ではそう見える。
鉄道専門の地図をあたると、線路はさらに5kmほど南に延びている。驚いたことにその終点に「Warsteiner Brauerei駅」がある。直訳すると「ヴァルシュタイン醸造所」駅だ。残念ながら乗客を乗せない貨物専用線。どう見ても醸造所からビールを運び出すことが目的だろう。Warsteinerはドイツではよく見かける。数少ないナショナルブランドだ。鉄道を使って全国に配送しているのだろう。ルフトハンザの機内で飲んだ。
不思議なのは他に5社ほど存在する全国メーカーの本社付近には、この手の専用駅は発見できない。他の名前のついた駅の引込み線なのか、トラック輸送なのかは判然としないが、「Brauerei」という名前のついた駅はドイツ中でここだけだ。
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