アウディトンネル
面白い名前のトンネルを発見した。長さ1258mで、つづりは「Audi」だから名高い自動車メーカーと一致する。さすがドイツ。トンネルにネーミングライツかと心が躍った。ついでに「ダイムラートンネル」「フォルクスヴァーゲントンネル」「メルセデストンネル」がありゃせんかと捜したが、見つからない。「ジーメンス」「クルップ」「ルフトハンザ」などの大企業名を冠したトンネルは他にない。それもそうで、通過のたびにいちいちトンネルの名前が車内でアナウンスされたりしないから、広告効果は高くはあるまい。
トンネルの名前は一般に、そのトンネルが貫く山や峠、あるいは山塊の名前が用いられる。それらを語幹に据えて、後は「新」「旧」「大」「小」「東」「西」「南」「北」「第一」「第二」の言葉で微調整が施される。だから「アウディトンネル」は「アウディ山」を貫いているのが自然だが、アウディ山は見当たらない。
ニュルンベルクからインゴルシュタットにかけてICE専用軌道が建設され、ドイツでは数少ない時速300km運転が実行されている。その新線がインゴルシュタット市街で在来線から分岐する部分に「アウディトンネル」が掘られている。インゴルシュタット市内だから山岳トンネルではない。よくよく見るとインゴルシュッタットノルド貨物駅の東側一帯がアウディ社の工場になっている。アウディトンネルは、工場の広大な一角の下をくぐっているということだ。
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