国境のトンネル
「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国だった」と始まる名作がある。今この作品や作者について薀蓄をぶちまけるほどの知識は持ち合わせていないが、最近妙に鉄道漬けになった脳味噌で、別に考察を試みる。
ドイツの鉄道は果たして何箇所で国境を越えているのだろう。頼もしい「ドイツ鉄道地図」で調べてみた。ドイツの北に接するデンマークから時計回りに列挙する。
- デンマーク 2箇所。
- ポーランド 14箇所。他に廃止された路線に12箇所。全て川を越える。
- チェコ 16箇所。他に廃止された路線に8箇所。
- オーストリア 8箇所。廃止された路線では1箇所。
- スイス 10箇所。廃止路線はなし。
- フランス 8箇所。廃止路線上には5箇所。
- ルクセンブルク 1箇所。廃止路線はなし。
- ベルギー 2箇所。廃止路線上に5箇所。
- オランダ 8箇所。廃止路線上に11か箇所。
- 合計 69箇所。廃止路線上に42箇所。
現役の路線で69箇所、これに加えて42箇所が廃止路線だから合わせて111箇所ということになる。さてさて、この111箇所の国境越え路線のうち、トンネルはとなるとわずか一箇所、アーヘンの南西に接するゲメニッヒャートンネル(870m)だけだ。トンネルを抜けるとそこはベルギーというノリである。廃止路線を含めて111箇所の国境のうち、トンネルがあるのが1箇所だった。しかもだ。たった1箇所のそのトンネルは貨物専用線上にある。一般の旅客列車はここを通らない。
いやはや意外な結末。ドイツでは旅客が国境のトンネルを抜けることが出来ない。
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