プロイセン国有鉄道
ドイツ帝国が成立したとき、ビスマルクはその余勢をかって帝国内各領邦の鉄道を帝国国有鉄道に吸収しようと画策した。吸収される側の各領邦は猛烈な抵抗を示したために、ビスマルクも譲歩しプロイセン内に限ってプロイセンの名で国有化する道を選んだ。着々と国有化が進んで20世紀初頭には総延長20000km弱のところ15000km強が国の管理下に置かれることになった。
プロイセン国有鉄道は孝行息子で、6億マルクの収益があったという。ざっと300億円だ。売り上げではなくて収益だ。第一次大戦前の時点でプロイセン国有鉄道が世界最大の企業だった可能性が高い。ドイツ最大ではなく世界最大だ。
そこからもたらされる莫大な資金でプロイセン王国ひいてはドイツ帝国が回っていたということである。鉄道の国有化はビスマルクにとっては、議会の制約を受けない財源の確保であると同時に、その従業員を与党の基盤に据えると言う側面もあった。
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