初演行脚
ブラームス最初の大規模管弦楽曲は、ピアノ協奏曲第1番だ。1859年に初演された。
- 1月22日 ハノーファー
- 1月27日 ライプチヒ
両都市の距離は、268kmだ。中4日で演奏会が行われたという事実そのものが鉄道の貢献を雄弁に物語っている。ベルリンーハンブルク間はこれより少し長い285km。通常の馬車便で丸5日かかっている。実質の走行時間は90時間だ。鉄道出現直前の急行馬車でも丸2日かかった。馬車移動を前提とする限り、ハノーファー、ライプチヒの演奏会を中4日でこなすのは無理だ。
1859年の段階でその両都市はマグデブルク、ハレを経由して鉄道での行き来が可能だった。もちろん幹線だ。たとえば演奏会の翌日23日の朝にハノーファーを発てば、同日中にライプチヒ入りできる。万が一演奏会の打ち上げで飲み過ぎて出発が一日遅れても、24日までにライプチヒ入りが可能だ。これで25日と26日をリハーサルにあてることが出来る。
堂々の鉄道ネタ。
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