郊外電車
ウィーンの地下鉄にブラームスが間に合っていない話は既にしておいた。ブラームス存命中には市内には馬車鉄道が走っており、ブラームスがそれに乗った証言がある一方で、馬車鉄道より本格的な鉄道が市内に建設されていた。
ウィーンを取り囲む市壁は、それが撤去された跡がリンクになっていることで有名だが、実はもう一回り外側にリーニエと呼ばれる壁が建設された。1704年のことだ。現在の3区から9区を取り囲む形になっていたが今では撤去されている。実はその跡地が鉄道に転用された。1883年に馬車鉄道より高規格のシュタットバーンとして建設が始まったから、ブラームスも話くらいは聞いていたに違いない。
その開通式は1898年5月9日だったというのがおしゃれである。前年に亡くなったブラームスの誕生日と2日違いという偶然。開通式には皇帝の臨席もあったという。そしてそしてその時に開通した路線が、現在の地下鉄6号線になっている。
37代引退公演・第21回スペシャルコンサートまであと2日。
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