省略っぷり
先ごろ買い求めた「Eisenbahnatlas」にどっぷりとはまっている。何といってもその徹底振りが凄い。鉄道以外の事象をバッサリと切り捨てるその省略っぷりは、すでに禁欲的と申してよいレベルだ。
まず槍玉に上がるのが、道路。道路の省略っぷりが鮮やかだ。「文句がある奴は道路地図でも見てくれ」とでも言いた気だ。アウトバーンだけが、薄墨でほんのり書き記されている。
山と川は、さすがに省略されない。土地の高低は品よくほんのりと色分けされている。市街地と森もそうした色分けの対象である。この手のバランス感覚が絶妙だ。気前のいい省略がもう一つ。鉄道に関係のないランドマークも容赦なく切り捨てられる。世界遺産だろうが自然遺産だろうが、名高い観光資源だろうが全く容赦しない。ケルン駅前にそびえる世界遺産ケルン大聖堂も載っていないし、ノイシュヴァンシュタイン城も敢え無くカット。ロマンティック街道も一顧だにされない。一般観光ガイドとしては失格。
それでいて鉄道に関するモニュメントだけは赤文字で特記される。「EisenbahnMuseum」(鉄道博物館)や「Museumbahn」(保存鉄道)は、必ずきっちりと収載されている。かつての路線だって見捨てはしない。アウトバーンよりは濃く表示される。
いやはやドイツ人らしい。
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