空飛ぶハンブルク人
戦前のドイツ国鉄の看板列車の愛称。ドイツ語では「Fliegender Hamburger」と綴る。列車を牽引した流線型ディーゼル車の愛称がいつしか列車の愛称に転化した。
1933年5月15日だからブラームスの生誕から100年と8日後に営業運転を開始した。ちょうど100年後だったら相当嬉しいのだが残念。ベルリン-ハンブルク間およそ300kmを2時間18分で結んだ。平均時速では当時世界最速の124kmであった。特筆すべきは、1830年に世界初の鉄道が英国に現れてから、営業運転の平均時速の世界記録はずっと英国とフランスが独占し続けていたのだが、これにより初めて世界記録保持者がドイツになった。さらにここでディーゼルが世界記録を書き換えて以降、今日まで蒸気機関車による世界記録が樹立されていない。
第2次大戦直前の1939年8月に運転が休止されるまでのたった6年間の運行に終わったのだが、現代のICEの所要時間が90分ということを考えると、相当な速度。鉄道の速度が国の威信に直結していた時代でもあった。
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