産業革命の痕跡
このほど入手した「ドイツ鉄道地図」を従来愛用していた道路地図と比較する。道路地図は、道路を網羅し、鉄道地図は廃線区間を含めた鉄道の網羅を主眼としている。主目的以外の情報は適宜省略されている。鉄道地図はアウトバーン以外の道路が記されていない。そのアウトバーンとて薄いグレーで控えめに描かれているに過ぎない。道路地図は鉄道線路を省略こそしていないが、細々と記すにとどまる。
当たり前の話だ。
鉄道地図は、地上建造物の言及にも消極的。ケルン中央駅の隣にそびえる世界遺産・ケルン大聖堂さえも省略されている。道路地図においては主たる観光地は必ず特記されていることと対照的だ。道路地図だとサッカーのスタジアムだって主なものはちゃんと書かれている。
一方、オイルタンクや発電所、主要工場は大変細かく書かれている。これは貨物線の目的地になっているケースが多いからだと想定される。そうした事業所には一般の企業名も臆せず記入されている。ベンツやBMWあるいはクルップ、ジーメンスの工場だと一目でわかる。とりわけ圧巻はルール工業地帯だ。道路が密集しすぎていて道路地図ではかえって判りにくくなっているのだが、道路が省略されている鉄道地図だとクリアにわかる。加えて工場が克明に記されているから。どこにどんな工場があるのか一目瞭然だ。ルール工業地帯の成り立ちはキチンと腹に入る。
道路と鉄道、目的の違う2種類の地図を併用して認識のずれを修正しながら理解を深めて行くことができるようになった。
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