駅名で見る国境
ドイツと国境を接する国は全部で9カ国。これを駅名を切り口に分類してみる。
- ドイツ語型 国境の両側ともドイツ語で理解可能。→スイス、オーストリア、ルクセンブルク、フランス
- ドイツ語併記型 国境の沿いの駅名にはドイツ語読みが併記される。→ポーランド
- ドイツ語近似型 国境沿いの駅名は明らかに地元語だが、そこはかとなくドイツ語が連想できる。→デンマーク、オランダ、ベルギー
- ドイツ語遮断型 全くドイツ語と無関係な駅名が並ぶ。→チェコ
おおよそ上記に分類できる。4番のチェコは徹底的。チェコとの国境は山だ。山を越えればそこは、全くの別言語の世界になっている。その他のパターンは川か平地なので、言語障壁が低いと思われる。国境の両側ともドイツ語圏ならば上記パターン1は当たり前だ。フランス領アルザスは、駅名上は完全にドイツ語圏と思われる。たとえばドイツ・カールスルーエからライン川をはさんだ対岸のフランス領Lauterbourg駅がある。「ラウターブルク」と読む。そこからアルザス地方の中心都市ストラスブールまでの全駅を以下に列挙する。
- Lauterbourg
- Mothern
- Munchhausen
- Seltz
- Beinheim
- Roppenheim
- Roesbourg
- Rountzenheim
- Sessenheim
- Drusenheim
- Herrlisheim
- Gembsheim
- Kilstett
- La Wanzenau
- Hoenheim
- Bischheim
- Strasbourg
以上だ。黙って見せたらドイツの駅だと思うだろう。両端の駅に「Bourg」があって、これがわずかなフランス語っぽい痕跡。元々は「Burg」だったはずだ。ドイツっぽい駅名だけを拾ったわけではなく全駅を拾っているところがミソだ。この調子でスイスのバーゼルまで続いている。国境の西側現フランス領は、ドイツ領だった時間が長く、人々がドイツ語を日常的に使用していると判る。
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