国破れて鉄路あり
第一次世界大戦で敗れたドイツには莫大な賠償金が課せられた。GDPの20倍とも言われる金銭的保証とともに、ドイツの鉄道資産が連合国側に供与された。
- 機関車 5000両
- 客車 15000両
- 貨車 13500両
連合国にとってのこれら戦利品は、それぞれの国境まで運ばれて、査察団による点検の後、引き渡された。連合国をもってしてもその鉄道網自体を差し出せとはいえなかった。レールは力強く大地に付着してこそ意味のあるものであり、そこから引き剥がしてしまっては鉄屑に近い。だから広大な鉄道網だけは疲弊したドイツに残された。確かに敗戦国ではあるのだが、主戦場はドイツ国内ではなかったから、鉄道設備の破壊はそれほど大きなものではなかったと言われている。
そして1930年までにドイツ鉄道は世界一の座に復帰する。蒸気機関車を根こそぎ召し上げられた穴を新技術ディーゼル車で埋め合わせたのである。
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