カーレンベルクバーン
「Kahlenbergbahn」と綴る。ウィーンの北郊ヌスドルフとカーレンベルク山頂を結ぶラック鉄道。全長5.5kmで標高差314mを駆け上がる登山鉄道だ。わずか1年で営業停止になったレオポルドベルクのケーブルカー同様、ウィーン万博を当て込んだと思われる1874年の開業だが、こちらは1922年まで運行されていた。軌道に歯車を伴うという珍しい鉄道だから、話題にはなっていたと思われる。
始発のヌスドルフを出てすぐ次の駅がグリンツィンク駅だ。グスタフ・マーラーの墓があるところとして有名である。何より始発駅のヌスドルフは、ホイベルガーたちとしばしばハイキングに出かけているから、ブラームスもこのラック鉄道を見ているはずだ。
終点のカーレンベルクにだって出かけている。音楽之社刊行の「ブラームス回想録集」第2巻249ページ。リヒャルト・フェリンガーはブラームスがカーレンベルクにハイキングに出かけたと記述している。年代の記載が無いもののおそらく1887年だと訳注が振ってある。
証言者たちの関心が巨匠ブラームスにばかり向いていて、鉄道にはからきしなのが残念だ。
« リリプットバーン | トップページ | 協奏曲のカテゴリー »
コメント