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2014年8月14日 (木)

ヨーロッパ分水界

ドイツ語で「Europasche Wasserscheid」と綴る。いかにも大袈裟だが、これがドイツの鉄道名所になっている。シュトゥットガルトの東およそ72kmに、アアレン(Aalen)という街がある。ここから南に非電化のローカル線ブレンツバーンは分岐する。コッヒャー川の谷あいを遡ることおよそ10km少々でオーベルコッヘン駅に着く。その南南西1kmにコッヒャー川の水源がある。

オーベルコッヘン駅の次の駅はケーニヒスブルン駅。同駅の北西2kmのところに、ブレンツ川の水源がある。両水源は5kmも離れていない。

前者コッヒャー川はやがてネッカー川に注ぐので、ライン川水系。一方のブレンツ川はドナウ川に注ぐからドナウ水系だ。つまりオーベルコッヘン駅とケーニヒスブルン駅の中間で分水界を越えるということだ。たしかにドナウとラインは欧州を代表する大河なのだが、これを「ヨーロッパ分水界」と名づけているというのがほほえましい。

バイエルン州を南と北に分けるのはシュヴァーベンアルプスとフランケンアルプスだが、本日話題のヨーロッパ分水界はシュヴァーベンアルプスの山中にある。シュヴァーベンアルプス自体がラインとドナウの分水嶺だから、これを越える鉄道路線は皆「分水界」を通過するのだが、水源同士がこれほど近い上に、その両水源のすぐそばを通過する路線は大変珍しいのだ。

ブラームスがここを通過したことがあるかどうかは、不明。

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