温泉の決め手
産業革命の先陣をきった鉄道の位置づけからして、初期の鉄道が貨物輸送目的だったことは事実である。しかしながら蓋を開けてみると想定以上に旅客が集まった。鉄道会社にとって嬉しい誤算だ。
鉄道会社は荷物の獲得同様に、集客に工夫を凝らすようになる。ビジネス目的の都市間移動は今ほど見込めなかった時代ではあるのだが、保養地、リゾート地へ人々を輸送することを画策する。目をつけたのは温泉だ。数ある温泉地は先を争って鉄道駅を誘致するようになる。駅の無い温泉は衰退の憂き目にあった。自慢の「ドイツ鉄道地図」巻末の索引で「Bad~」という駅を数えた。213箇所あった。他に「Baden」がつく駅も6つある。
ドイツ語版のウイキペディアで調べると、ドイツ国内で「Bad」で始まる地名は181箇所とされている。全てに駅が最低1個ある計算だ。
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