一家の名前
1838年1月6日にフローリッツドルフとドイチュワグラム間に開通したオーストリア初の鉄道は、正式には「Kaiser Ferdinando Nordbahn」という。時の皇帝フェルディナンド1世に因む命名だ。オーストリア初期の鉄道は、そのときどきの皇帝など、王室の中心人物の名前が付けられた。
- 1838年 Kaiser Ferdinando Nordbahn オーストリア初の鉄道。プラハ、ドレスデンを経てベルリンにつながり、果てはハンブルクに抜ける。
- 1858年 Kaiserin Elisabeth Bahn リンツ、ザルツブルクを経てインスブルックに。現代のウエストバーン。バイエルン出身のエリザベート王妃の名前がつくのは自然。里帰りには利用したはずだ。第一次大戦後、領土が大きく目減りした今、オーストリアに残る最大の幹線だ。
- 1866年 Kaiser Franz Josef Bahn グミュンドからチェコ・ブジェヨビチェに抜ける。今は幹線とはいえない。
- 1868年 Kronprinz Rudolfs Bahn 1888年に自ら命を絶った皇太子の名前がここに残る。母后妃の名前にちなんだ「Kaiserin Elisabeth Bahn」から分岐して南に向かい、ヴィラハからイタリアに抜ける。後に建設されたイシュルに行くザルツカンマーグート線は、支線の一つだ。
ブラームスはどれにも乗っている。
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