湯治場
ドイツで買い求めた鉄道地図の中に奇妙な一群を見つけた。ザクセン州の南部チェコとの国境に近い山中に「Kurort~」という地名が集中している。これが本日話題の「湯地場」くらいの意味になる。「Kur」は治療とか保養の意味。「クアハウス」という日本語にもなっている。「ort」は場所だから合わせて「湯治場」くらいがよい。
温泉を意味する地名には「Bad」がある。これはとても有名で、ドイツ語圏全体に広がっているのだが、「Kurort」はザクセンに集中している。などと思っていたが、手元の道路地図だと「kurort」が脱落した表記になっている。
さらに調べる。トーマスクックの時刻表では、「Kurort」の入った標記になる。
街の名前に「Kurort」を冠して駅名に採用したということに間違いあるまい。
そうした命名がなぜザクセン州南部にばかり出現するのか説明がつかない。「温泉」よりも「湯治場」の方がひなびた感じがしてしまう。ローカルな鉄道の終着駅になっていることが多く地図を眺めるだけで旅情を感じる。
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