Ehrenrunde
「エーレンルンデ」と読むと思われる。「Ehren」は「名誉ある」という意味。「Runde」は英語でいう「round」のことだから、「名誉ある円形」とでも解される。これが地名だから嬉しい。北ドイツの港町キールの西南西およそ35kmに「Rendsburg」という街がある。その一角が「名誉ある円形」と言い習わされている。ハンブルクからデンマークに向かう鉄道とキール運河の交点にある街。
鉄道は橋で運河を越えるのだが、船のために確保したい高さで運河を越えたあと、直下の駅に舞い降りるために、ループ線が用いられている。そのループ線が描く円弧の一帯が「Ehrenrunde」と呼ばれている。ループ線そのものが「名誉ある円」だと言う判りやすいオチ。
1911年完成のこの橋は、ドイツ屈指の産業遺産であり鉄道遺産であるばかりか、完成から100年を経た今も現役の鉄道橋だ。当時のドイツの建設技術を投入して完成したのだろう。いつしか「名誉ある円」と呼ばれるようになったということだが、ブラームス没後の完成なのが残念。
運河の通行は、これほどまでして確保されるべきものだということに他ならない。
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