陣中見舞い
次女の後輩たちのコンクール挑戦の話。一昨日コンクール千葉県大会があった。そこに登りつめて行く、乙女たちの格闘は凄絶だ。たとえばリスト「前奏曲」の冒頭の厳粛なピチカートの前提となる沈黙を、時間をかけて磨き上げて行く。100m先で針が落ちても判るかのような、極度の緊張を何度も何度も体験する。あのピチカートの意味から逆算された沈黙。全員がその意味を腹に入れている。音楽なのに音を出さないという練習だ。
親は見守るだけ。親の集まりである後援会には、コンクール当日、飲み物と軽食を差し入れる習慣がある。決戦の場に臨む娘たちへのせめてものサポートだ。毎年恒例のお店に頼んでいたのだが、今年に限って演奏開始時刻が繰り上がったために、納品が間に合わないことになった。
そりゃ困る。断じて困るとばかりに、母たちが知恵を絞って到達した結論がこれ。
乙女たちが利用する通学路に、メロンパン専門店がある。大抵の子が立ち寄ったことがあるなじみの店。決戦の日曜日は定休日だが、事情を説明してお願いした結果、当日お店を開けてくれるばかりか、子どもたちのためにおよそ100個のメロンパンを朝焼いてくれることになった。約束の9時半に伺うと1個1個を丁寧にオリジナルの紙袋につめてくれていた。車の中によい香りが充満する。親の我々の心を見透かすかのような思いやりにただ感謝した。
本番演奏の前に、子どもたちはそのメロンパンを口にする。ということは、演奏中彼女らの胃袋の中にとどまっていることになる。親の気合いとともにコンクール本番に挑むことに他ならない。
結果は吉と出た。金賞受賞とともに、2週間後の全国大会への出場権を獲得した。野球で言えば甲子園。メロンパン屋さん本当にありがとう。
子どもたちを厚く取り囲む先生、講師、親、OG、OGの親、それぞれのコンクールにかける数え切れない思いが錯綜した一日だった。夜は当然のように打ち上げ。帰宅後に記事が書けず、一日遅れの報告となる。だから今日鉄道記念日に公開予定だった記事を昨日に前倒しした。それほどまでしても断固残しておきたい話。何としても。
おめでとう。
« フランツ・バルツァー | トップページ | 中央停車場 »
親1さま
さっそくのお礼参りありがとうございます。
大願成就にお礼参りは、欠かせません。
これで、全国大会で神様を味方にすることが、出来ます。
わたしも2個買いました。
投稿: アルトのパパ | 2014年10月14日 (火) 18時45分
メロンパンダ
駅から近いですね!
子供の数だけ、3個買いました。
わざわざ
駅から歩きましたよ!
投稿: 親1 | 2014年10月14日 (火) 17時19分