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音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第3巻209ページに興味深い記述がある。ブラームスの弟子イェンナーの証言だ。
1887年12月にイェンナーが初めてブラームスに会ったときの話である。イェンナーはその夜ベルリンでヨアヒム主催の「カルテットの夕べ」を聴いた。
注目すべきことに、その演奏会の後、ライプチヒに移動して、夜遅くにホテルに着いたとある。ホテルの宿泊人名簿に「ブラームス」の名前があり、翌朝早くに面会している。
ベルリンからライプチヒまでは、現代ならICEで1時間20分程度だ。「カルテットの夕べ」と銘打ってある以上、開演は夕方以降であることは確実だ。夜行列車ではないものの、夜の列車を利用して当日中にライプチヒに入っている。
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