窓側の席
1862年1月25日、デュッセルドルフからクララがブラームス宛に差し出した手紙の中に興味深い記述がある。
「右手がひどいリューマチになり、数日おさまらなかった」と報告している。クララは「きっと汽車で右腕を窓側にして座ったからでしょう」と原因を分析している。
これは何を意味しているのだろう。
- 右手が窓側になったことがリューマチの原因であるというクララの認識がある。
- 窓側になった右手と、ならなかった左手では明らかな環境の差があった。
窓側になった右手が寒風にさらされたのだろうか。窓ガラスはなかったのだろうか。窓を閉めることは出来なかったのだろうか。客車は吹きさらしのオープンカーではなかったと推定できる。もし吹きさらしなら、窓側でない左手だって同様な環境になる。1月という冬の最中に、窓の閉まらぬ客車に乗って、寒風に右手をさらしたことが、リューマチの原因になったと、少なくともクララは感じていたのではあるまいか。
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