ミネルヴァ
文豪・森鴎外の「舞姫」はカフェミネルヴァから始まる。「ミネルヴァ」はローマ神話に出てくる知恵の女神。ジュピターの頭から生まれてきたときすでに完全な姿だった。
ロベルト・シューマンはブラームスを世に紹介する文章の中で、ブラームスを「ミネルヴァのような」と表現している。目の前に現れたときすでに完全だったという意味だ。
それにしてもだ。作品番号でいう7番までの最初期の作品や破棄されて現存しない作品を一度聴いただけで、この持ち上げようだ。先見の明というか慧眼というかかなりラジカルだ。
鴎外の記述はカフェというよりむしろビアホールだ。揺り越すばかりの泡をたたえたジョッキが描写されているから、コーヒーネタとしては苦しい。
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