さび病
コーヒーの天敵。壊滅的打撃をもたらす病気。1869年に英領セイロンに発生し、セイロン、インド、ジャワ、スマトラ、マレーシアのコーヒー園がほぼ壊滅の被害を受けた。
フランス領ハイチの奴隷反乱に乗じて、1860年代に世界最大のコーヒー生産国に躍り出たセイロンの被害は甚大で、経営者はコーヒーを諦め紅茶の栽培に転換せざるを得なくなった。1889年までの20年間で、大なり小なりコーヒーの供給地図に影響を与え、これをキッカケにブラジルが台頭することになる。産地としてのブラジルの台頭を招いたほか、やや後になって品種としてのロブスタ種の拡大にも繋がった。アラビカ種は風味香気に優れるが、病気にからきし弱かったために、ロブスタ種への転換が図られたということだ。
さび病の原因はヘミレイアヴァスタトリクス(Hemileia Vastatrix)という。あれ?と思うのはワインの害虫フィロキセラヴァスタトリクス(Phylloxera Vastatrix)と後半が共通することだ。そのつもりで見ると意外な共通点がある。フィロキセラが米国からフランスに現れたのが1863年といわれている。その後1890年までにドイツ除く欧州に壊滅的被害をもたらしたのだが、コーヒーさび病の大流行と時期が重なっている。
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