イギリス人が羨ましい
フローレンス・メイという英国の女流ピアニストがいる。クララ・シューマンの高弟にして著述家。代表作にはクララ、ブラームス、バッハについての著述がある。
クララに師事していた頃、ブラームスからもレッスンを受けたことがあるから、クララとブラームスについての回想録を書くのは自然だ。ところが「バッハの生涯」と名付けられた作品も相当の優れものだったらしい。当代きってのヴァイオリニストであるヨアヒムが絶賛しているのだ。そのヨアヒムの絶賛の言葉が、本日のお題「イギリス人が羨ましい」である。
当時復興目覚しかったドイツ音楽の誇りバッハについて、英国人が英語で書いた本だ。その内容の素晴らしさに感動したヨアヒムは、この本をオリジナルの英語で読めるイギリス人を羨んだ表現なのだ。「外国人に一本取られた」というニュアンスも漂う。柔道無差別級の金メダルがオランダあたりの選手にさらわれた感じと言えばいいのかもしれない。
ヨアヒムのバッハへの造詣や当時の音楽界における地位を思えば、ヨアヒムから称賛されることがどれほどのことか想像できる。
私もヨアヒムに「日本人が羨ましい」といって本やブログを誉められたい。
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