未完の理由
シューベルトの交響曲ロ短調は「未完成」として名高い。これを第8番として認識していたがどうも怪しいらしい。未完の交響曲に番号が与えられているのも不思議と言えば不思議である。
このロ短調交響曲が「未完」であることの原因として、「3拍子の連続」を指摘する人がいる。
第1楽章が4分の3拍子、第2楽章が8分の3拍子、さらにスケルツォをお決まりの4分の3拍子で書き始めて行き詰まったというのがその根拠だ。
3拍子の連続がそれほど珍しいのかブラームスで確かめてみた。対象は全室内楽24曲、交響曲協奏曲全8曲、これにピアノソナタ3曲を加えた35曲である。つまり多楽章ソナタだ。
第1楽章から第3楽章が同じ拍子というケースは1件も無かった。第1楽章と第2楽章が同じ拍子というケースでさえたった1件、ピアノ協奏曲第1番だけである。第2楽章と第3楽章が同じというケースは何件か発見できた。
危ないのはピアノ四重奏曲第3番。第1楽章が4分の3拍子で、第2楽章がスケルツォだから、相当ピンチだが、スケルツォを8分の6拍子とすることで回避している。ピアノ五重奏の第3楽章も同様だ。
3連続3拍子というのは確かに異例だ。ましてや3月3日の記事としても若干無理があろう。
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