連歌
「れんが」と読む。中世に起源を持つ日本に特異な文学の形態。短歌(五七五七七)を上の句(五七五)下の句(七七)に分け、それを別人が詠むというのが発端。下の句の次にはまた五七五が加えられ、36句、百句になるまで続く。直前の歌の特徴を捉え巧みに続けて行く面白さを味わうものだ。
座を盛り上げるためにいくつかの決まりもある。
- 発句 最初の句だ。季語と切れ字を必ず入れねばならない。
- 挙句 最後の句。
複数の人が一つの作品を作るという意味では、興味深い例がある。
ご存知「FAEソナタ」だ。大ヴァイオリニスト・ヨアヒムの到着を待って、ロベルト・シューマン、アルバート・ディートリッヒそれにブラームスがヴァイオリンソナタを合作したのだ。第1楽章つまり発句はディートリッヒで第2楽章はシューマンだ。ブラームスはスケルツォ第3楽章を担当し、第4楽章すなわち挙句をシューマンが受け持った。この3人の中で一番年少のブラームスは発句や挙句を任せてもらえなかったという訳だ。
現在演奏会で取り上げられる機会は、ブラームスの担当した「第3句」が一番多くなっている。
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