10代のカルテット
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を数多く初演したのが、ウィーンのシュパンツィヒ四重奏団だ。1794年にリヒノフスキー侯爵の屋敷での演奏を目的に設立され、最初リヒノフスキー四重奏団と名乗っていたが、ほどなく第一ヴァイオリンのシュパンツィヒにちなんで、シュパンツィヒ四重奏団と改名した。
設立当時のメンバーを以下に記す。
- 第一ヴァイオリン イグナーツ・シュパンツィヒ 18歳
- 第二ヴァイオリン ルイ・シーナ 14歳
- ヴィオラ フランツ・ヴァイス 16歳
- チェロ ニコラウス・クラフト 16歳
いやはや驚嘆すべき年齢構成だ。世界最初のプロの弦楽四重奏団で、ベートーヴェン諸作品の初演者でもあり、相当に著名な団体なのだが、この若さには恐れ入った。もちろんメンバーの交代は時々起きていた、創設時のこの若さを見て、次女たちのピアノ五重奏団を思い出した。全員が同級生の高校2年生だったからほぼ17歳だ。当時、彼らの示した気迫に心底感動したが、早熟でもなんでもないのだ。
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