どこがジプシー風
ピアノ四重奏曲第1番ト短調op25のフィナーレ第4楽章は、「Rondo alla zingarese」と書かれている。古来「ジプシー風ロンド」と解されている。「ジプシー風」の定義は、わかる人にはわかると言わんばかりに明示されていない。
32小節目に初めて現れる音階は以下の通りだ。
- 嬰ヘ
- ト
- イ
- 変ロ
- ハ
- ニ
- ホ
- 嬰ヘ
普通の旋律的短音階である。いわゆる「ジプシー音階」にはなっていない。ジプシー音階であるなら、「ハ」が「嬰ハ」に、「ホ」が「変ホ」でなくてはならない。属音「ニ」を半音で囲む必要がある。このあと同楽章には、この音型が繰り返し現れるが、「ジプシー音階」になっているところは一か所も無い。
同楽章が「ジプシー風」と呼ばれている根拠は音階以外の別の部分に求めねばならない。
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