3連続3拍子
シューベルトの「未完成交響曲」が未完である理由が「3楽章連続の3拍子」であるという説に触発されて、ブラームス作品にその例がありはせぬかと調べてみたのが記事「未完の理由 」だった。単一楽曲内において連続する3つの楽章が3拍子になるケースは1例も発見できなかった。
ところが、これに抵触する怪しいケースを新たに発見した。ピアノ四重奏曲第1番だ。
- 第一楽章 4分の4拍子
- 第二楽章 8分の9拍子
- 第三楽章 4分の3拍子
- 第四楽章 4分の2拍子
記譜上の拍子は上記のとおり。3拍子は3楽章に1個あるだけだ。ところが、この2楽章は特殊な音楽。3拍子系の複合拍子だから、振るなら3つ振りだ。メヌエットとスケルツォの融合ともいうべき構造になっている。広い意味では間違いなく3拍子だ。
加えてフィナーレも興味深い。記譜上は4分の2拍子なのだが、冒頭からしばらく、3小節単位のフレージングが続く。1小節を1拍と数えて、3つ振りするとはまる。
つまり第二楽章から3つ連続事実上の3拍子になっている。
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